11時前になっても我々の竿には「タコ」以外のヒットはなし。なかなか手強いな、磯よ。
ここらで、ちょっと一服。
それ、炭が少ないんじゃないの? とか思ったりしたけど、まあいいや。新聞紙とか焚き物が詰まった段ボール箱が捨ててあると思ってたけど、うちらが持ってきたのね。準備いいっすね。でもやっぱり炭が少ないんじゃないの?
バーベキューを始めて少しして、やいさんが一服しに上がってきた。
「アタリある?」 と訊くと、
「ない。」 と即答。 「ん?」
「なに?」
「タマネギが辛いのう。」
少し休んでまたすぐ釣りを再開した。ウキが沈んだかと思えば根掛かりしているといった感じで、一向に魚殿のアタリが手に響くことはない。
「ホントにいんのか?」 と、海面を目を凝らして見てみるが、波もあって海中の様子は分からない。ガラス箱を浮かべて見てみたいよなあ。
疑問を抱きながら釣り糸を垂らしていると、F産業のけんちゃんがバーベキューを一串持ってきてくれた。
「あいがと(ありがとう)」
肉にかぶりついた。レアである。 「ウマイっす。」
ウキに気を取られながら食い続けていたら、次の瞬間戦慄が走った!
ニンニクの塊が串に刺してあって、何の気なしに口で抜き取りガリッとやってしまった。レアである。
「んぐっ」
びっくりして飲み込んでしまった。
「ゲホッゲホッ」
しばらく躰が熱かった。